プラープダー・ユン

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バンコク在住の小説家プラープダー・ユン。脚本家、デザイナー、編集者、写真家、音楽ユニットなどなどメディアを変えて活躍するバンコクでは著名なクリエイターです。日本でも過去に映画『地球で最後のふたり』が公開されたりしています。
また最近は出版社タイフーンブックスを立ち上げて、ウィスット(タム)のマンガ本を出版したりしています。話がそれますが、ウィスットの新マンガ本の背表紙には何も情報がありません。装丁を担当したタムがなんとなくかかなかっただけらしいですが、それに対し出版の了承を出したのが経営者としてのプラープダー。普通の感覚だと、売りづらいのでNGだすところ。が、そのおかげでとてもタムらしい装丁の本になっています。こういうエピソードがあるように、プラープダーはよきクリエイターに対しては、よき理解者でもあります。
脚本を担当した映画「インビジブル・ウェーブ」(公開中)

さて、そんなプラープダーが「タイカルチャーの新しい読み方」と題されたトークイベントを行います。プラープダーはバンコクのカルチャーの内側から客観的に、そして外側と比較し批評できるであろう数少ないタイ人では?というわけでぜひこの機会をお見逃し無くー。以下詳細。
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《『インビジブル・ウェーブ』の果てに ~“タイを変えた”作家が語る、タイカルチャーの新しい読み方~”》
プラープダー・ユン(作家・『インビジブル・ウェーブ』脚本作家)
※ゲストあり(詳細は近日発表!)
日時:6月30日(土) 14:00~16:00(15分休憩挟む)
場所:東京・シネマート六本木 2F シネマートホール
(詳細こちら
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最後になりましたが、プラープダーに興味がある方は、短編集『鏡の中を数える』収録の「バーラミー」を読むと、彼のことがよくわかります。プラープダー的文学と0年代初頭のバンコク文化状況が合わさった、奇跡の危険な名作短篇です。
邦訳短篇小説集『鏡の中を数える』詳細ページ

バンコクのインディーズレーベルsmallroomからリリースしたブアヒマ『chit-tek』の日本盤

【日本での過去の主な仕事一覧】
映画『地球で最後のふたり』(原題『last life in the universe』)の脚本。脚本の翻訳本出版。
新潮2004年3月号(たぶん)に『存在のあり得た可能性』掲載。
新潮2005年1月号に日本語訳された短編『バーラミー』掲載。
国際交流基金「Have we met?」展キュレーション
音楽ユニットbua-himaの『chit-tek!』がポリスターより発売。
雑誌「eyescream」にてコラムの連載。

プラープダー・ユン」への5件のフィードバック

  1. ナスティ

    Eyescreamの連載終わってしまいましたね。
    バンコクカルチャーと日本のポップカルチャーの比較はとても興味深く、毎号楽しみにしていたのですが。。単行本化の予定などはあるのでしょうか?
    「鏡の中を数える」はなんだか不思議な本でした。
    大きな事件があるわけでも、ロマンチックな恋があるわけでもなく、淡々と日々が進んでいく。
    日本で近い感覚を持った作家を一人挙げるとすれば、村上春樹でしょうか。
    日本で、プラープダー・ユン及びバンコクカルチャーの現在を伝えてくれるサイトは少ないので、このエントリーはとても参考になりました。
    今後も期待しています。

    返信
  2. きむら

    ナスティさん
    どうもはじめまして(ですよね?)。コメントうれしいです。ありがとうございます。
    EYESCREAMの連載、実は毎回読んでいたわけではないのですが、単行本化の噂は聞いたような気もします。日本人向けに日本のトピックでコラムかくなんて結構大変な仕事だなーと思いながら読んでいました。
    『鏡の中を数える』は、どう読めばいいのか結構考えてしまいましたが、あの淡々としたところがやはり魅力で、そしてプラープダーさんが挑戦してるところなんでしょうねー。たぶん『鏡の~』より日本で全然売れてるラッタウットの『観光』と比べると困難さがとてもよくわかります。

    返信
  3. ナスティ

    きむらさん、どうもすみません。自己紹介が遅れてしまいました。ナスティと申します。
    >Eyescreamの連載
    上記のエントリーに「プラープダーはバンコクのカルチャーの内側から客観的に、そして外側と比較し批評できるであろう数少ないタイ人では?」という文章がありますが、この連載は、その事の証明であったと思っています。
    「日本の若者文化」をテーマとするエッセイは世の中に溢れるほどありますが、その多くは、視点が近すぎるか(芸能人が書いたものなど)、遠すぎるか(学者etc・・・)のどちらかです。
    そんな中、近すぎもせず遠すぎもしないプラープダー・ユンの文章はとても親しみの持てるものでした。
    単行本化は噂の段階のようですが、気長に待ちたいと思います。

    返信
  4. きむら

    >ナスティさん
    プラープダーさんはこの間の来日の一連のトークでもすごく冷静にタイ人の作家のこと、特にアピチャッポンとウィスットのことを語っていましたよ。あとペンエークさんか。
    タイ人は現場レベルだとほんとに日本のポップカルチャーに文化に親しんでいます。それももう20年以上の長い付き合いだと思うのですが(マンガとか)、そういう状況ある中で、プラープダーさんみたいな人がまとめてくれると嬉しいですね。
    本も楽しみにまちます。
    しかし、こういう話が出来るのがシンプルに嬉しいです(笑)

    返信
  5. wildwitness

    「座右の日本」オンライン販売開始!

    大変長らくお待たせしましたが、一部メディアでフライング気味に話題となっておりましたプラープダー・ユンのエッセイ集「座右の日本」、ようやく完成いたしました!(過去記事はこちら)表紙の絵は左の通り、伊藤桂司さんによる描きおろしです。一般書店へは12月10日か

    返信

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