こんにちは、福冨です。7月8月と東京もバンコクばりに暑い日が続いていますね。いよいよ今年も夏がやって来ましたね。
さて日本の夏と年末は音楽の季節(なのか?)ということで今年の夏も相変わらずフェス三昧の方もいらっしゃるのではないでしょうか。すでにこちらのページでも色々と紹介がされていますが、今年のサマーソニックにはタイのアーティストが三組参戦します。
けれども今夏のタイミュージックはそれだけでは終わりません。こっちの記事でも少し触れられていますが、8月末には日本でも既に話題になり始めているバンド、Desktop Errorが来日します。
学生時代の友人・先輩で結成された5人組の彼らは、元々バーでレディオヘッド、ピンクフロイド、ストーンローゼズといったUKロックのカバーなんかをしていたみたいです。
SO::ON Dry Flowerから2006年に出た最初のミニアルバム “Instinct” はそんなUKロックや、オルタナ、シューゲイザーの影響がはっきり見える、勢いのあった一枚でした。サウンドも少しだけダークな感じがありますね。
こちらはのちにアーティット・アッサラット(Aditya Assarat)監督の映画『ハイソ』の主題曲になった”MIND”。アーティットはアピチャッポンと同じくらいの年齢の映画監督で、世界中の映画祭で色々と受賞しているので、ペンエークやアピチャッポンに続く、タイアート系映画の次世代として今注目を集めている人です。『ハイソ』は2010年の東京国際映画祭で上映されていたので、この曲を耳にした方もいらっしゃるかもしれません。
(そういえばこのCDが発売された2006年にはこちらもSO::ON Dry FlowerからAssajan JakgawanというバンドもいいCDをリリースしていて、バンコクのポストロックって熱いんだなあと思った記憶があります)
そしてそんな勢い(と若さ)がさらにいい方向に洗練されて、なおかつ引き出しがどんどん豊富になっていったのが2009年のアルバム “Ticket to Home” でした。絡み合うクリアなギターサウンドとセンチメンタルなメロディが軽快なリズムに乗って「これ、前のCDと全然違うじゃん!」と楽しい驚きをもらえたこちらの曲とか。歌詞もシンプルかつ今をしっかり見据えてる感じがいいです。
こちらは別の曲のライブのもよう。
パフォーマンスも熱いですね!タイのインディーズバンドとかアーティストは「ああ、いいなあ」と思ってもなかなか長く続けてくれないのも結構あって、CD一枚出たらそのあと身を潜めてしまって、、なんてこともあるので、”Instinct”のあとに”Ticket to Home”が出て、しかもそれがすごくいいアルバムだったのは個人的にすごく嬉しかった記憶があります。
このバンドを説明しようとすると、どうもつい簡単にポストロックとかシューゲイザーとか言ってしまいますし(やっぱり轟音もあるし)、東南アジアのポストロック、みたいなちょっとした流行りが日本でもあるかと思うのですが、もはやその辺の言葉では全くくくれない、タイだとかアジアだとかどこだとか関係ない、独特の音楽をDesktop Errorは生み出していますよね。
こちらは東北タイの楽器、ピン(2-4弦のギターめいた楽器です)まで登場してフィールドレコーディング。ボーカルのLekくんは東北タイ出身。
タイ国外へも精力的に活動の範囲を広げていっているこのバンドの今後がとても楽しみです。
と、そんなDesktop Errorは8月後半に日本をツアーします。8/24,25は関西、27-29は東京でライブがあります。曽我部恵一バンド、Baffalo Daughter、sgt.、miaou、マカオのユニットEvadeなんかと共演です。
以下スケジュールです。
8/24(sat) ONE Music Camp
8/25(sun) Kyoto Metro
8/27(tue) 新代田FEVER
8/28(wed) 月見ル君想フ
8/29(thu) 渋谷O-nest(viBirth × CINRA presents「exPoP!!!!! volume72」)
詳細はDesktop ErrorのFacebookページや、Offshoreのサイトをご覧ください。
ということでまだまだ終わらないタイミュージックの夏なのです!
(福冨渉)