【SOIMUSIC的バンコクディスクガイド】精神病院から逃げてきた?バンコク初の引きこもり音響系?

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endjoy
エンドジョイ / エンドジョイ (CLAY) (2005)
EndJoy / EndJoy (CLAY) (2005)
バンコクのエレクトロニカミュージシャンCliquetpar(クリケットパール)による別名義「EndJoy」による日本発売のライブ盤(ややこしい)。
CDの紹介文によると「Endjoyは、タイのcliquetpar(クリケットパール)すずえりによる不定形ライヴユニットとして2001年にスタートし、現在はTHERMOの活動で知られる須藤俊明(Dr)を迎え三人のユニットとして機能している。」とあるが、基本的な作曲はcliquetparことbangg(バン)がしていると多分思われる(Cliquetpar名義の手売りCDに同じ曲名があるため。)。ああなんかすずえりさんに怒られそうだなあ、この適当情報。(Cliquetparはbanggのソロユニット。念のため)
なんだかのっけからややこしい紹介になってしまったのですが、Cliqeutpar(EndJoy)の音楽はまさに、ややこしい感じ一直線。エレクトロニカと言うものの、かなり捻じ曲がった変則のブレイクビーツが繰り広げられる。本CDではその変則ビートを須藤俊明さんがドラミングしてしまうライブ録音。圧巻。初めから最後までテンション高いステキな音源です。
endjoy
初期のアー写
Cliquetpar本人は元々イギリスの音楽が好きで、2001年ごろはWARPが大好きとよく言っていたけれども、その独特のビート感覚もメロディも、バンコクという常夏のパラレルワールドで天然培養というかアベコベに煮詰めるとこんな感じになるのかといった具合。プログレなんて聞いてないのにプログレになっちゃったというか、インダストリアルって知らんよ、それ何?みたいな感じというか。常夏40度のバンコクで、24度設定のクーラーでキンキンに冷やした極北部屋で発酵するとこうなってしまうのかも(笑)。ライブではKKK風な衣装を着て登場したりもするよく分からん美意識。ちなみにタイトルの精神病院から逃げてきた云々というのはライブの際にタイ人の観客がつぶやいていたコメント。
彼は日本フリークでもあり、好きなミュージシャンがジュディマリに喜太郎・・・と本気か冗談かわからないことを言うのだが、本人的にはもちろん本気。僕が家をたずねた昨年は、丁度映画「スイングガール」がマイブームだったらしく、バンコクの自宅のおそーい回線で一晩がかりで落とした海賊ファイルを何度も見ていた(しかも本編だけでなくスイングガール達によるライブのアウトテイク等もコンプリートしている)。その後音楽にホーンが導入されたのは、スイング・ガールたちを見てホーンが好きになったという・・・これも本気の話。ちなみに自室には何故かマンガ「覚悟のススメ」があったなあ。
こんな感じで自分の頭の中でかなり高速で突っ走っているため、周りのタイ人とは全く相容れていない(笑)。レーベルsmallroomに一時顔を出していたが人間関係がうまくいかなくていかなくなってフェードアウト。so::onという現地のエレクトロニック・ミュージックのグループの発起人だが、最近は携帯にも出ないイベントもこない(面倒くさいから)。大物モダンドッグのリミックスに誘われたが提出しなかった・・などなど、社交的で人間関係を重視するタイ人らしからぬキャラが災いしてか実際バンコクではアルバムが出ていない(笑)。(so::onのコンピには曲が収録済み)その辺が「バンコク初の引き篭もり音響系」と言われる由縁である。
とまあ本人をよく知っているためいろいろ書いてしまったが、実際の本人は美少年風、奇行も愛すべきものと言えないことはないし、そしてなによりその音楽の才能にいろいろ周りがおせっかいをやいているのが実のところ。日本盤が出てしまったのも、周りの日本人の愛情と期待のあらわれでしょう。(childiscのコンピにも1曲収録されていたように思う。)
と周りの期待はともかく、本人は至ってマイペース。今日も24度設定の部屋でダウンロードしているのかも。はやくタイ発アルバムが聞きたい。

(重要)こんなクリケットパールが来るライブを10月14日京都メトロでやります(詳細はかなり下にあるリンク)。PRでした。

cliquetpar
最近のアー写。78年生まれ。変な日本語が堪能。色白。
曲紹介
01. Alice In The OZ
02. Public Gangsta
03. Fire Up Cuntface
04. Farewell Btch
05. Storm In Your Head
06. Sudnarok In The Morning
07. Improvusation
08. In The Ocean
09. S.L.R.
10. Announcement
視聴はこちら
CDの情報ページはこちら(虹釜さんのコメント)
clay
*7”をリリースしている日本のレーベル。PVも見れるし視聴もできる。
OneInchPunch-Label
*細かいプロフィールはこちら
mixi内コミュ
【おしらせ】
クリケットパールも出演の06年10月14日京都メトロでのバンコクミュージシャンのイベント
HP→POP ASIA 2006 +kyoto
【おまけ】
監修したバンコクものコンピ/ウィスットの新刊
 

【SOIMUSIC的バンコクディスクガイド】精神病院から逃げてきた?バンコク初の引きこもり音響系?」への1件のフィードバック

  1. ともじ

    お久しぶりです。
    解説が音とマッチしてリアルに感じました。w
    NIRVANAしてる人なんだなぁとつくづく思いました。
    04.のライブと05.のライブの音の違いには驚いた覚えがあります☆
    限界や枠組みのない?アーティストだと思うので期待と不安と楽しみでいっぱいです♪

    返信

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