8月5日6日のタイバンツアー略して「SOI grafのエンドレスサマー」。このイベントの特集がFar East Satelliteというラジオ番組で組まれます!第146回の放送(今週)です。SOI MUSICの木村&遠藤がしゃべり倒してきました。
予告編はこちら[web short version]
web versionでは
moderndog”ko”
bear-garden”la la is love”
wisut ponnimit”car”
が聴けます。wisutのcarは2度とかけないデモバージョン。
本編では
Futon,moderndog,Bear-garden,Wisut Ponnimit,Penguin villa,Cliquetparをかけました。BGMにbua hima, miaw-earなど。
バンコク音楽の楽しい1時間ですので、ぜひ聞いてみてください。
FAR EAST SATELLITE 放送時間
関西・FM COCOLO(76.5MHz)毎週土曜日・25時~26時
豊橋・エフエム豊橋(84.3MHz) 毎週日曜日・17時~18時
相模原・エフエムさがみ(83.9MHz)毎週日曜日・22時~23時
稚内・FMわっぴ~(76.1MHz)毎週火曜日・18時~19時
仙台・ラジオ3(76.2MHz)毎週金曜日・21時~21時58分
作成者別アーカイブ: soi
ウィスット原画展
ウィスット・ポンニミットの原画展が明日からあります。
告知サイト
新刊マンガの原画を壁いっぱいに貼ろうということになっていて「たのしいから全部はっちゃえー」ということで、ばばばーと壁一面にマンガが広げた。
で皆がいそいそ作業にいそしむ中、壁一面に張られた『everybodyeverything』の「お兄ちゃん」の話を見て、ぼくはちょっとびっくりしてしまった。
この写真の後ろの絵のマンガ
「泣かない」泣き所が、一番中央に来ているんですよね。(って読んだ人しかわかんねー話だなあ)
さらに、この文章でぼくが何いいたいかは展示みてもらうのが一番なんだけど、僕は今日これを見た瞬間に、ウィスットの頭の中がぱーっと見えた気がした。
マンガってメディアは「ページをめくる」前提で作られてて、それを一面に並べるっていうのは本筋からずれてる行為かもしれない。でも、ばーっと一面に眺めてみると、構成とか話とか展開とかが、作家の頭の中ではこんな風になってるのかーということがよくわかる・・・気になれる。
「お兄ちゃん」は場面転換とか構成とかがダイナミックなので、それが見た瞬間に伝わってきて、結構「ガーン」とさせられてしまった。
ウィスットに限らず、実はこういう行為って、新鮮な発見や妙な感動が得られるものなのではーと思った。
会期は4月15日(金)~4月23日(土)までなので、是非足を運んでいただけると嬉しいです。16日土曜日は17:00からオープニングパーティーなので是非遊びにきてもらえたらと思う。
Futon comes from Bangkok
Do you know Futon? Futon is a kind of electropunk band from Bangkok.
Futon has 1 Thai, 3 English and 1 Japanese members.
Simon Gilbert, former drummer with Suede, has joined FUTON 29th April also.
Futon web
Simon-san with Suede
Simon-san with Futon
Intro Futon (quote from Futon web)
Emerging from the sleazy capital of the Orient, Bangkok based Futon are a band that defy definition and confront the South East Asian pop stereotype with reckless abandon. Comprising of Gene (Thai), Momoko (Japanese), Bee and David (both UK), the band are a heady combination of Western decadence and South East Asian sultriness. Futon tied the knot on the dance floor of Bangkok’s hottest club night, Rehab, where like minds and hedonists gather to hear the latest electro tunes from London, New York and Tokyo.
Futon live infromation
SOI TRAVEL
date:2005/04/29(Fri) open/start :18:00
venue:club asia”P” (Shibuya) [MAP]
Ticket:adv ¥2500(+1drink order) / day ¥3000(+1drink order)
※for ticket reservation
Please send mail to [soitravel2005@yahoo.co.jp]
(Please write in subject:「4/29reserve」,name, how many person, after receiving it, we will send confirmation mail)
live act
FUTON(from Bangkok)
kiiiiiii
special guest live:SPANK HAPPY
visual jockey
Clink!Clank!
organizer
SOI MUSIC
Better than travel
Information
web page
e-mail:travel@soimusic.com(SOI MUSIC:Kimura)
Venue information:
03-3789-3846(malva:Yamaguchi)
About Futon
Finally, I write the comments by Wit, Bangkok’s genius vusual artist.
word by wit
the fact that i like to work for futon is they are real multi-something sort of band / nationality, gender, language / and that’s really interesting / i don’t know much about the rest of the world but for the world i know, this combination is really unique / and it is a sincere and honest combination. They’re really friend, live and hangout together.
『hesheit』VCDの変な噂
明日の25日(金)は7時よりウィスットポンニミットのイベントです。
もはや、ホームという感じの大阪はgraf。
さて、バンコクではちょっと変な事態が起きています。それはウィスットの『hesheit』のアニメーション作品についての変な噂です。
数週間前、あるタイのBBSに『hesheit』のVCD(タイでは一般的な映像作品の規格です。)を買った!という書き込みが投稿されました。「バンカピでみた!(バンカピはバンコクの超ローカルゾーン)」「コーンケンで買った!(コーンケンはタイの超ローカル県)」などなど、辺境での目撃証言です。中心地「サイアム」で買ったという情報は一切なし。
実はこの作品の流通は作家の手を離れていて、ずっと発売が待たれていました。だって発売がアナウンスされてたのはもう1年も前のこと。
もうタイでは売ってるのか?と気になりウィスットに聞くと、本人も「友達が売ってるっていってた!けど変なところで・・・」とか言ってるシマツ。本人すらホントに売ってるか半信半疑。僕も「欲しい!」と思い、街中のVCD屋さんぐるぐる回りましたが、手がかりはなしのツブテ・・・。
新刊『everybodyeverything』の版元タイフーンブックスも「そんなのみてねー。ホントにあるなら、ぼくらも欲しい!」とか言うシマツ・・・。が本日タイフーンのBBSを見ていたら、タイフーンスタッフの「見つけたぜ!イエイ」という書き込みを発見しました。
タイフーンBBS
『hesheit』VCD、表紙
『hesheit』ブックレット
from typhoonbooks BBS
写真を見て、「か、可愛い表紙!」と思ってしまった僕は、「そうだ僕はウィスット君と一緒に仕事してるんだった」と後から気づくような、全くシマツにおえない状態です。分かった結論はGMSという量販店で購入可とのこと。お洒落な店や、ツタヤとか行っても買えないよ!ていうか早く欲しいよ!
そんな難産なタイ版『hesheit』ですが、明日のgrafで上映します。日本での上映は段々減ってくる作品だと思いますので、この機会に是非。ウィスット君のクラシックです。アニメは7時半よりスタート予定。その後はバンコクで400人に突き刺さった(笑)サイレントアニメ+ピアノ演奏です。
きむら
Wit&Jiro&Apichatpong/Bakery10years
先日のWITさんの文章を書いたので、勢いに乗ってWITさんの2004年の一番でかい仕事を書いてみようと思う。
(前置き)2004年の12月10日、バンコクの「ラーチャマンクラ」スタジアムで6万人、7時間に及ぶコンサートがあった。「ロック」でも「歌謡」でもない、そのどっちもが合わさった、いやちょっと「芸能」臭強めの「歌謡ショー」のようなイベント。
「ベーカリーミュージック(bakerymusic)」というタイの「メジャー・インディー」とでも言えそうなレコード会社の10周年記念イベント。日本に向けて「ベーカリー」を説明するなら、「フリッパーズをカヴァーしたjoey boyがいた」とか「ピチカートをカヴァーしたMR.Zがいる」とか、「本田ユカさん、ショーンレノン、ZAKさん、大野さんがアルバム参加した(我らが)Moderndogがいる」レーベル(てかレコード会社か)と言える。けどこう書くと誤解がある。彼らはベーカリーの一部にすぎず、そのほか70%ぐらいは、めちゃんこ「芸能」風味が強い「バラード」だったり「ロック」だったりするのだ。ここに「ベーカリー」がタイのヤンエグのハートをガッチリゲットして、メガビッグな会社に成長し、挙句のはてに10周年で6万人のコンサートをやれちゃったりした秘密がある(かなー)、その理由の細かい説明は来週。
(本題)で、そんなビッグなスタジアムロックなコンサートのステージ+映像+照明のトータルディレクションをしたのが、ウィット・ピムカンチャナポン(Wit Pimkanchanapong)さん。そしてWITがパートナーとして選んだのが照明担当に建築家の遠藤治朗。映像担当に映画監督のアピチャートポン・ウィラセータクン。
映像用のプロジェクター47台にスクリーン47台。照明は「照明会社にどれくらい照明機材あるの?よし、それ全部」。というめちゃんこバブリー仕様。集客6万人、ランニングタイム7時間、携帯会社のでかいスポンサー。客席にはプリンセス。終了夜中の2時なのにバカスカ花火を打ち上げたー。などなどやっぱりバブリーでどこか狂ってるはちゃめちゃなイベント。バブルで悪いか、悪くない。こんなにばかげているイベントは滅多ない。
で、これがその写真。
(重要)
http://homepage.mac.com/witpim/iblog/B1029668979/C179532943/E564751833/index.html
http://homepage.mac.com/witpim/iblog/B1029668979/C179532943/E1288435729/index.html
(説明)遠藤はNEW-GUESTHOUSEという建築事務所をやっている。そしてSOIMUSICの主催者。元インテンショナリーズ。最近の仕事はFRAPBOISのショーとかやった。状況に柔軟で、かつひたすら笑える南国フレイヴァー全開の楽しい歌って踊れる建築家。踊れるというのはコンサート照明やってるくせに、FUTONのライブが始まると何故かいつもステージの上で踊っているからだ。
アピチャートポンは「Tropical malady」や「Blisfully yours」が有名なカンヌ受賞作家。ゲイゲイいわれてるし、抽象的すぎとかいわれてるけど、「タイ」の空気を一番よく描けるの映画監督。「抽象経由リアル行き、ああ切ない」。「Tropical malady」は思い出すたび切なくなります。
(もう、遠藤さんがいる時点で、手前味噌な感じバリバリだけど、でも面白いんだからしょーがないので続けます)
WITさんが描いたステージ、照明、映像のイメージ。それをデコレーションしたのがアピチャートポンと遠藤だ。アピチャートポンはこのバカでかい、5つのスクリーン(9スクリーンを1スクリーンに見立てている)のために5つのカメラで「くらげ」「ビーチ」「子供」など、かっちょ良い映像をとってきた。遠藤はその映像を殺さないでめちゃんこハイパーなライティングをデザインした。遠藤の照明はすごい。普通じゃない。照明卓の前に座る遠藤はミュージシャンみたいだ。もしくはゲーマー。隣に座る照明オペレーターが泣きそう、もしくは怒りそうなぐらい、卓を叩く。事前のプログラミングは最小限にして隙間をつくり、あとはライブ。ライブで叩く、卓を叩く。プログラミングとライブ操作の間で照明にはバグが起きる。起きた違和感がめちゃんこ面白い。卓を叩く遠藤の後姿はちょっと感動的だ、大げさではなく。
タイの人はこのショー全体をめちゃめちゃ楽しんでいた。6万人がみんな歌ってるんだもん。すげー。タイの人の気質って現場向きなのだ。会場の雰囲気は花火大会みたい。座席はブロック指定だったんだけど、そんなの守ってるスタッフ・お客ははじめの1時間ぐらいであとは勝手に椅子ならべたり、地べたに座ったりで夕涼みにきたみたいな家族連れとかいて、「やっぱタイはいいなー」。
ぼくが個人的に面白かったのはやっぱりMODERNDOGだった。5曲ほどしか演奏しなかったけど、やっぱりいいんだなー。3人のメンバーの熱量のバランスがいい。
MODERNDOGのショーでは、日本からZAKさんが音響卓をいじってくれた。ZAKさんはただ遊びに来ていただけなのに、そしてMODERNDOGのPODさんもずうずうしく頼んだりはできなかったんだけど、周りのお節介によって、ZAKさんが卓をいじることになった。結果MODERNDOGの音響が一番よかった気がする。
それと「ベーカリー」のアイドル部門「DOJO CITY」レーベルのショーもよかった。タイの「ハロプロ」というかなんていうか、ちょっと変態っぽい感じ。残念だったのは「ドラッグ4000錠保持(!)」で一番重要なTriumph Kingdomの女の子が不参加だったことだ。ドラッグ4000錠も持ってたら一生牢屋にいることになるんだろう。みんな大好きTKだったのでこの出来事には落胆した人も多かったと思う。
だんだんベーカリーの説明っぽくなってきたので、この辺で終わり。僕はこのコンサート、「音楽」よりも「ステージ」の方が楽しくて楽しくてしかたなかった。
“Have We Met?―見知らぬ君へ”
国際交流基金が主催の“Have We Met?―見知らぬ君へ”へ行ってきましたー。日本のキュレイターは資生堂ギャラリーの河野晴子さん、プログラム・ディレクターは基金の古市保子さん。
大雑把に言うと、「80年代の経済発展、90年代のデジタルテクノロジーの発展を経て出てきた日本と東南アジア・南アジアの新感覚派の若手を取り上げる」という趣旨のこの展示(詳細はこちら参照のこと)。
みんなゆるーい作品。僕は日本のさわひらきさんの作品がすごく好きでした。(ま、そんなことはどーでもいー)
で、タイからは、プラープダー・ユン(Prabda Yoon)がキュレイションを担当し、ウィット・ピムカンチャナポン(Wit Pimkanchanapong)とポーンタウィーサック・リムサクン(Porntaweesak Rimsakul) が参加。
ポーンタウィーサックさんは大阪graf「8月のタイ」と同じ作品を出品。(grafの方によれば「8月のタイ」のタイプの足が改良されてる!とのこと)お尻についてるスイッチ押すとヤカンがヒョコヒョコ歩く。神社の鳩みたいにワラワラ蠢いていて可愛い。
そして、ウィット・ピムさん。彼は『tra(b)el(l)』と『Still Animation』の2作品をエントリーしていたんだけど『Still Animation』、ちょっとこれについていろいろ思うところがあるので書いてみようと思う。
僕はこの展示についての批評を2つ読んだ。『朝日新聞』1月20日夕刊の「美術」の欄と『スタジオ・ヴォイス』vol.350の「ART SV CUT UP」 の欄で、どちらも展示については好意的。そして気になるアーティストいくつかを選んでコメントを書いています。どちらもWITさんのことを取り上げている。勝手に転記。
朝日新聞の方。
1月20日夕刊 文=山盛英司
見知らぬ人に「どこかでお会いしたことはありますか?」と声をかけられたら、普通は怪しむ。でも、その問いを展覧会名にした「Have We Met? –見知らぬ君へ」展の場合は大丈夫。インド、インドネシア、タイ、日本の20代から30代の14作家の作品は、みな親しげで、初々しくすらあるから。
(略)
ひねりを利かせた技巧派もいる。
(略)
ウィット・ピムカンチャナポン(タイ)は、家族を撮影した短い映像を反復させ、静止画像でも動画像でもあるような両義的な映像を作り出す。
(略)
90年代、アジアの現代美術は躍進した。それを見て育った新しい世代の美術家や展示企画者たちが活躍を始めた。今回、4ヶ月から選ばれた4人の企画者たちもそうだ。彼らは、アジアを起点に新しい人間関係を作ろうとしているようだ。展覧会名は、そのための軽やかで慎み深い、出会いのあいさつということだろう。
そして「スタジオ・ボイス」誌の方。
Studio Voice
ART SV CUT UP 文=喜藤笑子
(略)
タイの作家は2人しか選ばれなかったが、ウィット・ピムカンチャナポンによる「スティル・アニメーション」は、ヴィデオ素材をわざわざコマ落としで再編集したアニメーションで家族の日常生活のポートレイトといえる小技の効いた小品だが、そのシンプルさゆえに奇妙なオーラが出てしまうともいえる。
(略)
あの、すごく細かいことでなんなのだけど、これ、ちゃんと調べて書いているのでしょうか・・・?
Still Animation”POR” 意味は「お父さん」
WITさんの「スティル・アニメーション」は上の二つの評価ように不思議な魅力を持っている作品です。SOI MUSICに来た人ならば、VJやってたWITさんの才能わかると思うけれど、彼の色々な作品の中でもこれは際立って変でカッコ良い作品。僕も遠藤さんも小山田さんも皆がこれみて、うーんと唸ってしまった。
でも、これは、「撮影した短い映像を反復させ」てなんていないし、「ヴィデオ素材をわざわざコマ落としで再編集」なんてこともしていない。
これは「静止画」を一枚撮って、それを編集している(ちょこちょこ切ったり張ったりしてるんだ。)。「The feeling of Sitll Animation is ‘still picture try to move but cannot’」、イエス。全くもってこれが正解。でそんな作業の結果が「静止画像」と「動画」の間のような、妙な時間、空間を作り出しているんだ。
「短い時間の動画を編集」というのと、「静止画を編集」っていうのでは、作品を見たときに受ける感触・意味合いが全然かわってくるのじゃないかなー、と思う。僕は美術の批評家でもないし、その意味って何だ、説明しろって言われると、それはうまくできないけど、明らかに面白さが違うのは分かる。だいたいさー、それだったらタイトルは「Still Animation」ではなくて「Still Movie」とかになるんじゃないのかな。
仕事として文章書いてる、美術の批評やっている、この2名はこれくらいのこと、(気づかないにしても)調べることぐらい出来たのではと疑問に思ってしまう。そして、この2人の記事を読んだ人がWITさんの作品を、WITさんの意図と全く別の方向の解釈をしてしまうのが怖い。(別に皆が勝手に色々思うのはいいんだけど、この情報が基になっての解釈されてたら、嫌なんです!)
ただ、これはもしかしたらこの2名の書き手のせいではなくて、他の所に「間違い」の原因があったのかもしれない。例えば、国際交流基金が間違った説明をした、キュレイターが勘違いしていた、WITさんが嘘をついた、犬が棒にあたった、樽ドルが人気だ、etc。
冗談は「ソムタム(青パパイヤのサラダ)」作るバチで粉砕しておくとして、まあ、どこに原因があるのかわからないけれど、もう書いてしまった文章はしょうがない。だからせめて“Have We Met?―見知らぬ君へ”を楽しんだ人、WITさんの作品が気になった人、ちょっとした勘違いの原因を作った人たちがググって、検索して、この文章を読んでくれればと思う。だから名前も色々書いてみた。
最後に、ローカルキュレイターを担当した、プラープダー・ユンがパンフレットに書いた文章。これが一番良く「分かってる」。プラープダーはさんいつもホントによく分かってる。(ていうか、レヴュアーはこんな基本的な資料読んでないのかな。)
以下『“Have We Met?―見知らぬ君へ”展カタログ』プラープダー・ユンによるウィット・ピムについての文章より抜粋。
write= Prapda yoon
「アニメート」という言葉は、動きを作り出すことを意味する。ピムカンチャナポンの《Still Animation》は、実際に動いている私的なイメージ――多くは彼の家族の写真――である。しかしそれらのイメージは、決まった位置で動く。これらは何か別のものになるような動き方をするわけではないので、「静止画像」だとも言えるだろう。「次」という時間への変遷や過程、飛躍はないのだ。「Still Animation」という言葉は、意味を成さない。アニメーションは静止したままでいるわけにはいかない。静止画像も動くわけにはいかない。
(以下略)
ウィットさんは、バンコクのデザインオフィスで、ひょろひょろした体で、ぼさぼさした頭で、あんまり寝ないで、めちゃんこ楽しいアイディア考えてる。日本での折角の晴れ舞台なんだから、ちと頼みますよ(だれがだ?)、愛だろ愛。
以上(はー、ながっ)。
きむら(soi music)
Still Animation、おかーさーん!!!
ウィスット・ポンニミット/ENBAN Visualive!
タイマンガ家のウィスット君。
1月29日(土)に円盤企画のライブイベントに出演します。「円盤ヴィジュアライヴspecial!」。 円盤企画だけど場所は渋谷o-nest。
(関連URL)
円盤
O-NEST
このページ最後にイベント詳細を載せます。
前回円盤の「顔をあらう」も好評に終了したタムっちょ。「顔をあらう」は作る予定のアニメーションのタイトルだったんだけど、間に合わなくって「車」っていうアニメをつくって来たんだ。でもそれって「間に合わなかった」んじゃなくって、「作る気なかった」んじゃないのか!フライヤーまで「顔をあらう」使用にしてたんだよ!やられたよ、タム!「車」はよかったよ!
そんな意見もありましたが、今回は広い場所なので前回お断りしてしまった方々も入れるはず、ウィスットの出番は8時半頃なので、終電にも間に合いますよ。
2月中旬に新刊「everybodyeverything」の出版も控えているウィスット。2月26日にはタイのアリアンスフランセーゼで「everybodyeverything」タイ語版出版記念イベントを行うタム。3月末には大阪graf(東京も?)にも行きます。今年もバシバシやるぞ(え)。
最後に大阪のgrafが年末に出版した「newsGM」(007号)からの引用です。
~~
僕が今のバンコクに想いを馳せる時に、ある有名なアルバムの前書きからの一節を思い出す。
「芸術について僕が思うのは、それはスーパーマーケットで買い物をするようにアレとコレを買ったからカゴの中はこうなるというものではなくて、アレもコレも買ったけど結局は向こうから走ってきた無限大がフッと忍び込んで決定的な魔法をかけて住みついてしまったどうしましょう、というようなものではないかということだ。」
今のバンコク、そこには魔法に取り付かれちゃった人がいっぱいいて、街には無限大がフッと忍び込んでいるような気がする。(僕にとって、魔法度100%なのは、ウィスット君やプラープダーさん、ウィットさんであったりするのだけれど。)
~~
ぜんぜん関係ないけど、タイ語ででてる単行本。kwantaimuwak。
以下イベント詳細です。
「円盤ジャンボリー2 VISUALIVE special!
宇川直宏
ユダヤジャズ
ウィスット・ポンニミット
ドラビデオ(from山口)
ファンタスティック・エクスプロージョン
バブルB
佐伯誠之助(from宝塚)
生西康典+植野隆司+鈴木ヒラク
(音がバンド名)
虫ミュージック+8WORDS+ツポールヌ
BONSAI
大和川レコード(from大阪)
岸野雄一渦巻きオーケストラ
明日は明日のコルベッツ(from名古屋)
TURBO SONIC
開場18:00/開演19:00 ● 前売¥2500/当日¥2800 ●ドリンク別
TICKET ●O-nest・ぴあ・ローソン
ModernDog ThatSong
先月の末、タイのロックバンド、Moderndogの4枚目のニューアルバムが出ました。タイトルは英語で『That song』タイ語だと『Dad song』、意味は「日の光」とかそんな感じ。タイ語と英語のダブルミーニング。
『That song』
モダンドッグは、POD、MAY-T、PONの3人から成るバンドで、「バンコクのオルタナロックの草分け」、「10年目のベテラン」など色々呼ばれますが、僕が考える魅力は、
*3人のメンバーの個性的でキュートなキャラクター
*ヴォーカルのPODのちょびっと涙を誘う素敵な歌とパワーがあるパフォーマンス
*NY-バンコク-日本-スペインなどを繋ぐ彼らの豊富な関係性の中から生まれるコラボレーション
かなと思っています。
この『That Song』は、静かでシンプルな音楽、というのが聞いた感触ですが、中をあけてみるとすごく面白い人たちが関わっています。
SONG DOCTOR / Yuka Honda
PRODUCER / Tony Doogan(belle&sebastianとかmogwaiとかのプロデューサー)
ADITIONAL MUSICIAN / Sean Lennon、Ohno Yumiko、ZAK
と凄く豪華。(ソングドクターって可笑しい、笑。でも素敵な言葉。本当に本田ユカさんは彼らにとって治療をするように気持ちよく曲作りを導いてあげたらしい。)レコーディングもバンコク以外ではNY、TOKYO(これはZAKさんのスタジオ、ストロボのこと)で行われました。
彼らは外国人と仕事するのは初めてではなくって、映像作品はスペイン人のZORANが、ライブの舞台は日本人の遠藤治朗が作る(この2人のコラボレーションワークのライブDVD『The Very Common Of Moderndogcumentary』は素晴らしい)。
こんな良い状況をMDが手に入れたのは、彼らがNYにいたとき、東京に来たときにつくったコネクションというのも大きいかも知れないけど、もっと大きいのは今のバンコクの状況。MOGWAIのドラマーのmartinは若手のcliquetparたちが行うSO::ONのパーティーに出演していて皆仲良くなったし(結果としてSO::ONがtonyを紹介したようなもの。)、SOIミュージックでCORNELIUSやSPANKSやZAKYUMIKOなんかを受け入れてくれる楽しい土壌が今のバンコクにはあるような気がします。
この『That Song』はMDの2004年をあらわしているかもしれないけれど、なんとなくバンコクの今の良い雰囲気を現しているような気もします。
さて長くなりましたが、この曲のおススメ。
1曲目「Ta sawan」。「ターサワン」は「目に光が射す」と書いて、ある時ふとあの人が大切な人だったんだーと気付いてしまうという意味。力が溢れてくる名曲。3曲目「Dad song」は表題曲。7曲目「gift」はムーグとコーラスでバッファロードーターの大野さんが参加した(タイ語で歌ってる!)ポップな曲。他の曲も素敵ですよ~~。
来年3月には大きなツアーも控えているようなので楽しみ。
DDTマガジン表紙のモダンドッグ御三方。
FUTON meets BRUTUS
BRUTUS 2005/1/15号で菊地成孔さんがFUTONとSOI MUSICについて言及しています。
*BOOM BOOK2005「知っておくべき2005年キーワード解説」
「肉食性で野蛮」だけど「飛び切りチャーミングでハッピー」っていうのはFUTONにぴったりな言葉だと思うなあ。
FUTONの1000枚限定プレ・アルバム(?)「FUTON1000」。直球なタイトル!内容は・・・まっとうにカッコいい音楽です。もうバンコック・ゲイ・エレクラなんて言葉いらないなー。MOMOがタイ語で歌う「HIGH」は優しい高揚感がある名曲。
prabda yoon「バーラミー」@新潮
新潮の2005年1月号。
バンコクの作家プラープダー・ユンの短編小説が掲載されています。タイトルは「バーラミー」。意味は「七光り」。タイ語を直訳したタイトルは「父の七光り」。
内容は言ってしまうと面白くないので書きませんが、バンコク2大英字紙「NATION」の主幹を父親に持ち(良くも悪くも)、今のバンコクを生きているプラープダーさんしか書けない話です。
これにはちょっとびっくりしました。
どれくらいビックリしたかというと、マンガ家のウィスット君の作るアニメ・マンガ・イラストが毎回毎回魔法のような新鮮な感動をしらっと届けてくれる瞬間、そして映像作家のウィットさんがコーネリアスのエキシビションですばらしいデコレーションをしたのと(そして事情によって、それをいとも簡単に破棄してしまった!)、それにSOIミュージックのVJで魔法のような時間を作り出していた時、そんな時に圧倒的な才能を感じるのと似ている。読みはじめたら刺激的すぎて止まらなかった(比べるものがバンコクのカルチャーばかりでもうしわけないけど)。
プラープダーさんの映画の仕事「地球で最後のふたり」も面白いと思ったし、Eyescream誌でのコラムも毎号面白い。彼の音楽仕事「buahima」も、デザインワークも、編集仕事も素敵だなーと思っていた。インタヴューでの切れのよい的確な受け答えもすごく魅力的だった(偉そうですみません。。。)。けどこれを読んだら圧倒的。すごく刺激的。僕は今までなんでもっと夢中になってなかったのかと後悔するばかりです。がんばってタイ語で読めよっていう話。
彼はこの才能と周りの状況が自分にしか降って来ないことを良く分かっているし、それをこんな風に書きだしてしまう彼は恐いぐらい。
こんなすごい作品を訳して掲載まで漕ぎ着けた東京外語大の宇戸教授は、あきらかにプラープダーの魅力にやられている。プラープダーの本当の凄さにやられてる日本人のごく一部。そしてこの作品を掲載した新潮の編集者はこの作品を読んでびっくりしたと思う。新潮のこの号は「アジア文学」特集。それでたまたまこの作品に出会ったと思うんだけど、この作品はそんなものとは関係ないと編集者もきっとわかってしまったと思う。(またまた偉そうですみません!!)
この作品は、バンコクに行ったことない人でも、プラープダーという人間を良く知れる&90年代後半からのバンコクの事情をしれる素晴らしいガイドブックでもある。言ってみれば岡崎京子の「東京ガールズブラボー」?違うかな。
まだ、新潮は本屋に並んでいると思うので、この僕の文章を読んだ少しでも多くの人が彼の「バーラミー」を読んでくれたらと思います。
プラープダーがキュレーションを行った現在開催中のエキシビション「Have we met?」
http://www.jpf.go.jp/j/culture_j/news/0410/10-09.html
プラープダー自身が始めたばかりの出版社「タイフーン」
http://typhoonbooks.com